みなさんは投資銘柄を選ぶ際にどのような基準で選定しているでしょうか。
投資方針やスタイルにもよりますが、確認するポイントが明確であると銘柄選定の際もブレなく一貫した分析ができます。
今回は私が銘柄選定の際に参考にしている指標をご紹介します。
ピーターリンチの6つの分類
株の分類としては、ピーターリンチの分類を参考にします。※
分類 | 特徴 |
低成長株 | エネルギー関連銘柄のような安定的な収益が見込める。事業拡大よりも配当による株主還元が期待できるが株価の上昇は期待できない。 |
優良株 | 10%程度の成長率が見込める。KOやPGの様に不況期にも強く、安定した収益が見込める。 |
急成長株 | 年率20%以上の成長が見込める小企業に多い。株価上昇が期待できるが、ボラティリティが高く、ちょっとしたきっかけで株価急落のリスクが伴う。 |
市況関連株 | 売上、利益が循環的に上下するため、株価も上下する。エントリーするタイミングが重要。 |
業績回復株 | 連続する赤字などにより倒産リスクのあった会社が業績回復すると株価上昇の期待が大きい。 |
資産株 | バランスシートに着目して現金同等物や不動産など企業が持つ資産価値と株価との乖離を見つける。 |
ピックアップした銘柄がどのような分類になるか確認してみましょう。
例えば、低成長株や資産株であれば、ROE(自己資本利益率)のような収益性指標よりも、配当利回りなどの安定性指標を重視することが重要になります。
その銘柄の所属するセクターや状況に応じて、重視する指標や、優先度を変えてあげることが必要です。
次に私が参考にしている具体的な指標の例を挙げます。
定量的な部分もありますが、あくまでも参考値と考えてください。
成長性・収益性
- ROE(自己資本利益率)は十分か。
⇒概ね25%以上あると良い。自己資本が極端に低い場合があるので、自己資本率も併せて確認する。 - EPS(一株利益)が確実に成長しているか。
⇒安定的にEPSを成長させられることが株価上昇につながる。
⇒なぜなら、株価=EPS×PERであり、期待がフラット(PERが一定)であれば、株価の上昇はEPSによる。 - 営業CFマージンが十分高いか。
⇒25%以上あると利益率が高いと言える。 - 製品・サービスが魅力的で、ブランド力があるか、独占的か、価格を上げることができるか。
⇒バッフェット流に言えば、その企業が消費者独占型企業(コンシューマーモノポリー)であること。 - PER(株価収益率)は適切か。
⇒概ね20倍を大きく超えてくると、高い成長期待がある一方で市場の影響を受けやすく、投資難易度も高くなる。セクター平均と比較する。 - 配当利回りは適切か。
⇒3%以上は欲しい。高すぎる配当利回り(6%以上)疑ったほうが良い。 - ピーターリンチの指標※
⇒(成長率+配当利回り)/PER > 1.5 - 持ち株比率はどうか
⇒インサイダーが高く、機関投資家が低いのが良い
安全性・安定性
- PBR(純資産倍率)は適切か。
⇒論理PBRを算出し、実質PBRと比較する。 - 増配が継続されているか。
⇒リーマンショックの時期などの不況期を超えて継続されていると良い。 - 自己資本率は十分高いか。
⇒40%以上あると安全性が高い。 - 配当性向が高すぎないか。
⇒得た利益以上の還元をしている会社は今後も増配が期待できるか怪しい。 - 流動資産比率が高いか。
⇒一株当たりの流動資産が株価の底値に値する。 - 過去の不況期におけるパフォーマンスが極端に落ちていないか。
⇒ディフェンシブであれば、不況期のグリップ力が高まる。
※引用:ピーター・リンチ/ジョン・ロスチャイルド著 ピーターリンチの株で勝つ
論理PBRについては、過去記事を参照してください。
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まとめ
どのような分類の銘柄にどのような投資スタイルで投資するかで重視するポイントは変わっていきます。
急成長が期待できる銘柄に対し、高い配当利回りは不要です。得た利益は内部留保によって、更なる成長に期待すべきでしょう。
また銘柄の分類も時代背景や状況により移り変わっていきます。
例えば、急成長株はいずれ時代が変われば低成長株に変わります。かつての鉄道が経済発展に貢献したように、鉄道会社は低成長株に腰を落ち着かせます。
自分の投資スタイルや銘柄の分類により、分析指標を取捨選択して取り入れていくことが重要です。数多くの銘柄に触れて、目利きを高めていきましょう!
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